500人に聞いたLPに求められている口コミ
LPをデザインする際に、商品の魅力を効果的に支えるために口コミを掲載するのは定番の手法です。ただ気になるのは、そうした口コミをユーザーは実際にどう捉えているのか、ということです。ユーザーが口コミを求めるのは、客観的な意見が知りたいからです。LPに掲載される口コミは、そうしたユーザーのニーズを満たしているのでしょうか。
この疑問の答えを得るために、LPに求められている口コミの実態について、506名の方を対象にアンケートによる意識調査を行ってみました。
アンケートの対象者
以下の画像のうち、どちらがより訴求されますか。
61.3%の方がユーザー投稿型を支持している。
ユーザー投稿型を支持する層からは、リアルさ、信頼度の高さなどを挙げる声が多く聞かれました。
一方で加工された口コミは、文字の大きさや写真による親近感など、参考情報というよりデザイン的な素材として評価する声が多く上がりました。
以下の画像のうち、どちらがより訴求されますか。
71.5%の方が投稿埋め込み型を支持している。
やはりリアルさや信頼度の高さから、無加工の投稿を埋め込む方を好む傾向が見て取れます。
ユーザーの声を加工することについては、好意的な声もある一方で、「PR感が強く、嘘をつかれている気がする」と拒否感を訴える声が多数派でした。
LPには口コミが掲載されていた方が良いと思いますか。
81.4%の方がLPには口コミがあった方が良いと回答。
ECサイトに関するアンケートでは、「あった方が良い」が最多でしたが、今回は「どちらかと言えば〜」が最多でした。
「LPは作り手の主張を読むところ」との意見もあり、副次的な情報としてあった方が良い、と考えている人が多そうです。
LPに掲載される口コミの信頼度をどう考えていますか。
97.6% がLPの口コミは操作されていると考えている。
LPに掲載された口コミを完全に信頼している人はわずか2.4%で、ほとんどの人がある程度の操作を前提に解釈していることがわかりました。
先行する問いで「リアルさ」を求めているのは、この裏返しと理解できそうです。
ある程度の忖度や操作があるとして、それでもLPに口コミはあった方が良いと思いますか。
61.4%がそれでも口コミはあった方が良いと考えている。
最初の同じ質問から20%下がりましたが、やはり多数派は口コミを求めていることがわかります。
「誇張されているとしても参考にはなる」「口コミからターゲットが自分とマッチしているかわかる」などの意見が多くみられました。
口コミを信頼できないと感じる要素は何ですか。
80.4%が「良い評価しかない口コミ」を信頼していない。
良い口コミだけを選別して掲載するメーカーは少なくありません。しかし、この結果を見る限り、評価を高めるよりも下げる方に作用してしまうリスクの方が高そうです。
次点の項目を見ても、文章の具体性や多様性の担保が効果的と予測できます。
信頼できる、と感じる口コミの掲載形式をお教えください。
(2つまで選択ください)
68.4%がユーザーの投稿がそのまま反映された口コミを評価。
ユーザーの投稿を無加工に表示する掲載形式が明らかに支持される結果となりました。
手書きの口コミは読みやすさの観点からあまり歓迎されないようですが、それでも加工した口コミより評価が高いところは注目に値します。
口コミを見る際に、重視する情報は何ですか。
(2つまで選択ください)
57.7%が具体的な使用シーンに言及する口コミを重視
やはり具体性を求める口コミが最も重視されることがわかりました。
次点は意外にも星の数で、客観的かつ端的に商材の評価を把握できる情報源と理解されているようです。なお、「その他」には「ネガティブな評価」を上げる人が多くいました。
口コミの投稿者について、
どのような情報があると信頼度が上がりますか。
(2つまで選択ください)
52%がレビュー投稿履歴を信頼度の指針にしている。
レビュー投稿履歴、購入履歴が同程度に評価されていることがわかりました。
意見を要約すると、「サクラかどうかを判断する根拠」とする人が多くいました。また、属性に関しては、性別よりも同年代かどうかを重視する人が多いようです。
商品の口コミを見る際、
何件程度の投稿数があれば参考になると感じますか。
10〜30件がボリュームゾーン。
最低でも10件以上の口コミがないと、ユーザーが参考にする情報としては物足りない、少なくともそう感じられる可能性が高いということがわかりました。なお、5件未満と回答した人は2%でした。
LPに掲載される口コミについて、
ネガティブな意見も含まれていた方が信頼できると思いますか?
94%が、ネガティブな意見もあった方が信頼できると回答。
圧倒的多数が、ネガティブな口コミを歓迎しています。特に「商品の欠点も理解してから購買を判断したい」との思いを持つ人が多くいました。
ある意味では、ネガティブな口コミがメーカーの誠実さのバロメーターにもなっているようです。
口コミの内容として、
以下のどの要素が含まれていると参考になりますか
(2つまで選択ください)
78.9%が具体性を重視。
数値データによる客観的な情報よりも、主観的な使用感が重視されるのは注目に値します。
それだけ生の声が求められているのかもしれません。次点は「改善してほしい点」で、これはネガティブな口コミを歓迎するのと同じ心理によると考えられます。
LPに掲載される口コミについて、
どのような並び順が最も参考になりますか。
55.2%が投稿日順の並びを評価。
口コミの付帯情報としての評価では20%程度でしたが、並び順という基準ではやはり投稿日時が重視されるようです。
リアルタイム性をチェックするためと思われます。文字数をまずチェックする人は、意外にもほとんどいません。
LPに掲載される口コミの最適な文字数は
どれくらいだと思いますか?
51〜100文字がボリュームゾーン
口コミは文字数が多いほど信頼度が増す、という意見もありますが、あまり多いと逆にサクラを疑われてしまうようです。
具体性が求められる割に長文は歓迎されないという、悩ましい結果となりました。
まとめ
利用者はとにかく「口コミのリアリティ」を重視する傾向がある。
「加工した口コミ」より「無加工の口コミ」の方が信頼を得やすい。
9割以上の利用者が、口コミは「操作されている」と考えている。
9割以上の利用者が「ネガティブな口コミはあった方がいい」と考えている。
「並びは投稿日順、内容は具体性」が最も求められている。
文字数は「100文字前後」、口コミの数は少なくとも「10件程度」が一つの目安。
ダウンロードいただけます。
特に条件を設けず、506名の方に回答いただきました。
性別は女性と男性がほぼ半々、年代は40代、30代がそれぞれ約3割で、次いで50代が2割弱、20代が約1割強というユーザー層です。