耳が痛い!500人に聞いたECサイトに求められている口コミ

ECサイトに口コミを掲載する際、ネガティブなものは避け、できるだけポジティブなものを紹介したくなるのは当然のことです。しかし、良かれと思ったその選択が、場合によってはマイナスに作用するかもしれません。

ECサイトに求められている口コミの実態について、505名の方を対象にアンケートによる意識調査を行ってみました。

アンケートの対象者

特に条件を設けず、505名の方に回答いただきました。

性別は女性と男性がほぼ半々、年代は40代が約4割で、30代が3割弱、次いで50代、20代が約1割ずつというユーザー層です

ECサイトの口コミを読む目的を教えてください。

77.4%の方が客観的な意見を求めている。

「買いたいから背中を押して欲しい」というポジティブな動機よりも、

「損をしたくない」という少しネガティブな動機が強いことが窺えます。

また、「口コミを読まない」層がごく少数であることが再確認できました。

ECサイトが口コミを掲載することをどう思いますか。

98.4%の方が「ECサイトには口コミがあった方がいい」と考えている。

ユーザーの3人に2人が、ECサイトにおける口コミを明確に「ありがたい」と感じられているようです。

ちなみに「どちらかというとない方がいい」と回答した方は0.6%、「なくていい」と回答した方は1%でした。

ECサイトの口コミに不信感を持ったことがありますか。

42.4%の方がECサイトの口コミに不信感を持ったことがある。

ほぼ半々という結果です。不信感を覚えた点としては、「褒めているだけ」「好評ばかり」「悪評ばかり(競合による投稿)」「日本語が変」「説明的」「類似表現の多用」などが挙がりました。やはりサクラやステマを疑う声が多いです。

「嬉しい、助かる」と思う口コミを教えてください。

「商品の魅力」と「商品・対応面の苦情」が22.4%で同じ

「その他」を選んだ方からは、良い口コミと悪い口コミの両方が欲しい、という意見が多く上がりました。全体としては「長く丁寧な口コミ」が多数派ですが、極端に多くはなく、長短よりも客観性を重視すべきことが窺える結果となりました。

口コミに求める内容を2つまで教えてください。

「ポジティブな口コミ」と「ネガティブな口コミ」の割合はほぼ同じ

ユーザーが商材の良し悪しに関する客観的な情報を求めていることがわかります。また、使用感に関しては、動画より画像で知りたい需要が高いようです。

ユーザー層が幅広い商材であれば、考慮に値する結果かと思います。

ネガティブな口コミの必要性についてお答えください。

90.5%がネガティブな口コミはあった方がいいと考えている。

回答の理由を確認すると、「ネガティブな口コミがあると信用できる」「デメリットを把握してから購入したい」「妥協の許容範囲か知りたい」などの声が多く見られました。

やはり「得」より、「損」を避けたがる傾向が強いことが窺えます。

広告や商品ページを見て購入した後で、
届いた商品が期待を外すことは増えていますか。

「だいたい期待通り」以上が71.5%。

ECサイトの隆盛から、購入前と購入後のギャップが広がっているという統計も見られます。ただ、少なくとも今回の調査ではそうした傾向は見られませんでした。

SNSを含め、口コミを活用した多角的な情報収集が背景にありそうです。

参考にしたいと思う口コミの
レーティング(星の数)のパターンを
お教えください。

「4が大多数」が62.4%。

「5が大多数=いい加減なレビュワーが多い、と解釈する。4が多いくらいが客観的に優れた商材と判断できる」という趣旨のコメントが多数でした。

少なくとも口コミに関しては、100点満点より80〜90点ほどの評価が最も信頼されそうです。

口コミから商品を判断するときに
見るポイントをお教えください。

「質」が28.7%。「数」が24.5%。「バランス」が46.5%

口コミの質と数では、どちらかと言えば「質」の方が重視される傾向にあります。

ただ、「数と内容のバランス」が最多であることを踏まえると、星評価で数を示しつつ、内容の濃いレビューを冒頭に集める形の掲載がベターと言えそうです。

口コミの質を重視される方にお聞きします。
背中を押されるのはどのような口コミですか。

「メリット・デメリット」が72.2%「感情的な口コミ」が60.8%。

この質問でも、メリット・デメリット両方の情報が含まれている口コミが高評価を得られることがわかりました。

また、冷静な口コミよりも感情的な口コミの方が、購買意欲を優位に刺激されることが窺えます。

まとめ

ユーザーは「買って得をするか」よりも「買って損をしないか」を重視する傾向がある。

ネガティブな口コミは、その「損」が妥協の範囲に収まるかを判断する重要な情報源。

9割以上のユーザーが、ネガティブな口コミは「あった方がいい」と考えている。

サクラやステマの可能性が念頭にあり、口コミから商材やメーカーの信用度を判断している。

5つ星評価や褒め言葉しかないレビューは、ユーザーに不信感を抱かれる可能性が高い。

質に関しては、冷静な口コミよりも感情的な口コミが購買意欲を刺激する傾向にある。

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