500人に聞く!ホテル選びにおける口コミの重要性
予約ポータルサイトの台頭により、複数のホテルの情報や料金を網羅的に比較できるようになりました。ただ、公式が発表する情報はどうしても「広告」と受け取られてしまいます。そこでどのサイトも客観的な評価を紹介するために口コミを掲載するわけですが、そもそも口コミはどの程度の提供力を持っているのでしょうか。
今回は、20代から60代の男女500人を対象に、ホテル選びにおける口コミの重要性について詳しく調査しました。どの程度参考にしているのか、どのような口コミを重視するのか、そして口コミが実際のホテル選びにどう影響するのかなど、リアルな声を紹介します。
アンケートの対象者
年間のホテルの利用頻度(ビジネスホテルも含む)を
教えください。
年に1〜2回程度の利用が66.9%と多数派。
「年1回」「半年に1回」の層が全体の66.9%を占めており、ライトユーザーを中心としたマーケティングが効果的であると予想できます。「月1回以上」「ほとんど利用しない」は、いずれも4%でした。
ホテルを選ぶ際、レビューや口コミを参考にしますか。
「必ず参考にする」「よく参考にする」層が77.5%。。
「たまに参考にする」の20%を加えると、圧倒的多数が口コミに目を通すことがわかります。ちなみに「全く参考にしない」と答えられた方は、口コミよりも目的地からの近さや料金、部屋の広さなど定量的なデータを重視するとのことです。
口コミやレビューがホテル選びの決め手に
なったことはありますか。
93.7%が口コミやレビューがホテル選びの決め手になった経験がある。
圧倒的多数が、口コミを決め手にホテルを選んだ経験があることがわかりました。
ライトユーザーが多数派であった結果を踏まえると、第三者による客観的な評価が、ホテル事情に詳しくない利用者の背中を押している背景も想像できます。
ホテルのWebサイトに口コミやレビューが
掲載されていることで、安心感は高まりますか。
「大いに高まる」「やや高まる」が90.3%。
掲載の体裁は問わない質問でしたが、それでも9割が口コミによって安心感が高まるとの結果が得られました。第三者の口コミによる信頼性や透明性が、ホテルの見込み利用者の心理に小さくない影響を与えていることがわかります。
ホテルの口コミ・レビューを確認する際、
最もよく利用するサイトはどこですか。
国内の予約ポータルが64.9%。
「楽天トラベル」「じゃらん」という国内の予約ポータルサイトが最多層。続いて「Google」「公式サイト」の順ですが、この結果を踏まえると、公式サイト訪問時にはポータルサイトからある程度の情報をすでに得ていると予想できます。
公式サイトの口コミ・レビューと外部サイトのレビュー、
どちらを信頼しますか。
「公式サイトの方が信頼できる」と考える層は17%と少数派。
以前実施したLPの口コミに関するアンケートと同様の結果です。そもそもユーザーは、公式が用意する口コミを完全には信用しません。口コミは口コミでも、操作される可能性が低いUGC(ポータルサイトやSNS)の声をより信用する傾向があります。
ホテルの公式サイトに口コミや
レビューが入っていた方が良いと思いますか。
70.3%が、公式サイトに口コミが入っていた方が良いと回答。
外部サイトより信用度が低い一方、大半の方が「ホテルの公式サイトに口コミが入っていた方が良い」と答えています。こちらもLPのアンケートと同様、「操作されている前提でも、体験談から細かい情報を得たい」との声が目立ちました。
口コミやレビューで重要視するポイントを
3つまで選んでください。
82.6%が、「客室の清潔さ・設備」を重要視。
意外なことに、料理や接客、料金などを押さえて「客室の清潔さ・設備」を重視する人が抜きん出て多い結果となりました。公式サイトでの差別化が難しい項目ですので、口コミから情報を得ようとしているのではないかと考えられます。
口コミやレビューに写真が投稿されていると参考になりますか。
96.5%が写真が参考になると回答。
圧倒的多数が、口コミと併せて写真があると参考になると回答しています。理由を尋ねると、「一般の人が撮った写真はリアルで、情報量も多いから」という趣旨の声が多く聞こえました。口コミで公式サイトの情報の裏付けをしているようです。
どのような写真があると参考になりますか
(2つまで選択ください)。
88.5%が「客室の様子」を重要視。
口コミと同じく、「客室の様子」が圧倒的多数を占めています。印象的な理由として、「公式サイトの写真はリアルタイムではないから」という意見がありました。自身が宿泊する時点で、客室や設備がどのような状態か知りたい需要がありそうです。
宿泊施設を利用後、レビューを投稿することはありますか。
たまにでも投稿をする人は38.2%。
4割弱の人が、ホテル宿泊後に口コミを投稿していることがわかりました。以前ECサイトの利用者を対象に行なったアンケートでも、口コミを投稿するのは34%ほどでした。この辺りが口コミを投稿する人・しない人の相場かもしれません。
口コミを投稿したくなるのはどんな時ですか
(2つまで選択ください)。
「とても満足した時」が最多で47.7%
「満足した時」の方が、「不満があった時」より口コミが投稿される傾向にあるようです。また、「ホテル側からの依頼」が6.5%であるのに対し、「ポイント・特典がもらえる時」が45%と明らかに高い結果となりました。
公式サイトでレビュー投稿ができるなら、
投稿したいと思いますか。
「ぜひ投稿したい」「投稿しても良い」人は39.2%が。
「宿泊施設を利用後、レビューを投稿することはありますか?」という質問とほぼ同じ結果となりました。4割弱の人には、特別な施策を用意しなくとも口コミを投稿してもらうことができそうです。
ホテルが口コミやレビューに対して
返信コメントをしていると、どう感じますか。
81.2%が、口コミへの返信コメントに好印象を持っている。
「誠意を感じ、お客様を大切にしている印象を受ける」「返信があったらまた行きたくなる」という声が多く見受けられました。一方で違和感を覚える理由としては、「自作自演を疑う」「投稿者と言い争うのを目にしたくない」などの声がありました。
まとめ
年1〜2回利用の「ライトユーザーが約7割」を占める。
93.7%が、「口コミを決め手にしてホテルを選んだ」経験がある。
公式サイトの口コミの信頼度は、外部サイトより「かなり低い」。
信頼度が低い理由は、「操作されている可能性が高い」から。
ただし70.3%が、「公式サイトには口コミがあった方が良い」と考えている。
口コミを読む際は、82.6%が「客室の清潔さ・設備」を重要視している。
「リアルタイムの客室情報を確認したい」という隠れた需要が存在する。
ダウンロードいただけます。
特に条件を設けず、505名の方に回答いただきました。
社会生活基本調査(総務省統計局)によると、おおよそどの年代でも旅行者の男女比は同程度ですが、25-34歳の世代だけ女性の方が大幅に多いという結果が出ています。本調査でも、それが垣間見えるような男女比・世代比となっていいます。