第一章:UGCツールとは

UGC活用ツールとは、主にECサイトに口コミを掲載するためのツールを指します。

ものによりますが、口コミを集めるところからサポートしているツールがほとんどです。例えば、メールで口コミの投稿を依頼したり、SNSから既存のレビューを収集・掲載許可を取ったりといった機能ですね。

ECサイトの強力なマーケティングツールとして、UGC活用ツールは急速に注目を集めています。なにが理由でそこまで重要視されるのか、簡単にまとめてみたいと思います。

UGC活用ツールの重要性が叫ばれるのはなぜか

まず「UGC」という言葉ですが、これはUser Generated Contentの略です。日本語ではユーザー生成コンテンツと呼ばれます。

X(旧ツイッター)やインスタグラムなどがわかりやすいですが、サービスを提供する側ではなく、利用する側によって生み出されるコンテンツのことです。

多くの場合、UGCは日常に根差した、決まった方向性のないコミュニケーションを目的としています。一見、ビジネスとは無関係に思えるかもしれません。しかし、日常に根差しているからこそ、そこには生の情報が溢れています。

具体的には、ユーザーが利用した商材に対する、嘘のない率直な感想や意見です。

この「嘘のない第三者の評価」こそが、UGC活用ツールが注目を集める最大の理由と言えます。

ECサイトでは、半数以上のユーザーが購入前に口コミを見る

UGC活用ツールを提供している企業、例えばYOTOPOのYOTOPO社やLetroのアライドアーキテクツ社などは、UGCに対する意識調査を実施し、その結果を公表しています。

それらのデータでは、いずれもECサイト利用者の半数以上が、購入前に口コミを参考にするという結果が出ています。おそらく、ECサイトで買い物の経験がある人の大多数に、心当たりがあるのではないでしょうか。Amazonや楽天などで日用品を購入する際、口コミをチェックしない人の方が少数派であるはずです。

口コミの有無や量は、ECサイトの売上に直結します。

UGC活用ツールでは何ができるのか

具体的な実現方法はUGC活用ツールによって異なりますが、一般的には以下のような機能が搭載されています。

  • 口コミの収集(メールによる投稿やSNSからの自動収集等)
  • 口コミの二次利用の承認支援
  • 自動投稿
  • UGCごとの効果測定・分析

既存のECサイトに目的に応じたタグを埋め込んで口コミなどを表示させ、その管理や分析は各UGC活用ツールのダッシュボード上で行う、というのが基本的な利用方法です。

UGC活用ツールの導入で見込める効果

UGC活用ツールによって口コミを増やせば、ECサイトの売上は上がります。これは多くの統計が示す、実現する可能性が高い効果です。

ただ、UGC活用ツールの力はそれだけに留まりません。

まず、コンテンツ量が自動で増えます。口コミには商材に関連するキーワードが少なからず含まれており、情報の鮮度も高いことから、該当ページのSEOに貢献します。

Chat-GPTなどのAIによって、検索エンジンの重要度は下がっています。しかしECサイトで扱うような商材に関する情報は、そうしたAIでは得られません。SEOは、まだまだECマーケティングにおいて重要です。

また、集めた口コミを分析することで、商材に磨きをかけ、ひいては企業価値を向上することすらできるかもしれません。

UGC活用ツールを導入する流れ

UGC活用ツールは、既存のECサイトにも簡単に導入できる仕組みになっています。ざっくりまとめると、以下のような形です。

  • UGC活用ツールのプログラムを読み込むためのタグをWebページに追加する。
  • UGC活用ツールのダッシュボードでUGCを管理する。
  • UGC(口コミや写真、動画など)を表示したい場所にツール専用のタグを追加する。
  • ダッシュボードで成果を分析し、定期的に最適化を繰り返す。

ただ、ひとくちにUGC活用ツールといっても、ツールごとに得意分野(もちろん料金も)が違います。導入の際は、まず導入目的を決め、それに適う機能を備えたツールを慎重に選ぶと良いでしょう。